OCEAN SONG
星砂
どれくらい時間が経っただろう、
ポンポンと肩を叩かれ、私は
目を覚ました。
「おい、着いたぞ」
「え、私、寝てた…?」
「ああ。俺の脇腹にキツく腕を回してな」
「苦しかったでしょ?ごめんね」
「いいよ。俺も慣れてるし、こういうのはさ」
連れによくやられてるから、と
笑う内野くんに私の胸は高鳴った。
苦しいくらいに、ドキン、ドキン、と。
それを振り払うようにぐるりと
周りを見渡してみると、いつもとは
違う景色が目に入った。
どうやらいつも行く浜辺とは
少し違う場所のようだ。