OCEAN SONG
ふと、内野くんがズボンの
ポケットから小さな瓶を
取り出した。
「これに入れて持って帰りな」
「いいの?ありがとう。
おばあちゃんのお土産にあげよう」
「それがいいな」
私は瓶の蓋を開けて、
パラパラと星砂を
瓶に注いだ。
それからキュッと蓋を閉め、
鞄の中にその瓶を入れた。
「さ、行こうか」
すっと内野くんが手を差し出す。
私はその手をそっと握り、
ゆっくりと立ち上がった。
歩くたびにコトコトと
鞄から瓶が揺れる音がする。
私はおばあちゃんに瓶を渡して
喜ばれる姿を想像すると、
胸が弾んで期待が膨らむ、
そんな気持ちが心を埋め尽くした。