OCEAN SONG
私はそれを布巾で軽く払い、
アイスココアを喉に含んだ。
コク、と音がして
私の喉をすり抜けていく。
テーブルにコップを置いて
口許をティッシュで拭っていると
「美波は色白だねえ」
と、おばあちゃんが言った。
顔をあげると、フフッと微笑んだ
おばあちゃんの顔があった。
「本当、お母さんにそっくりだわ」
と付け足して。
途端に私は眉間に皺を寄せる。
それからこう言った。
「もうお母さんはいないよ」
と。