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生徒玄関につき、止まった。

後ろを振り向いても涼太はいない。

息があがって苦しい。

久々にこんな本気で走ったかも。

でも、息があがって苦しいだけじゃない。

涼太がきてくれてないってことだけで

悲しくなって苦しくなった。

・・・追いかけてくるわけないけれど。

イライラして玄関にあった傘バケツを

けって倒すとちょうど通った先生に

怒られ職員室で説教。

珈琲とタバコの匂いがまざり、

気持ち悪くなった。

「玲那、どうしたんだ!?壊れたら

 どうするんだ!!ものに当たるな!!」
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