羽をなくした


・・・・・飛べない。

飛べなかった。

「どうして?!」

自分の背中に手を伸ばし、羽がないことに気づく。

「・・・そっか。」

そこで思い出した。

「私、羽を取られたんだった・・・。」

羽を取られた現実と、見たことのない世界の恐怖で、

より涙があふれる。

何もかもが歪んで見えた。

「本当・・・弱いなー、私・・・。」

自分で、そう思う。

「もう・・・疲れたよ・・・。」

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