お嬢様になりました。《番外編》
カルロの待つ部屋に行くと、人の家の客間で優雅にコーヒーを飲んでいた。


洋風なつくりの部屋によく合ってるよ。



「葵っ! おはよう!!」



普通に挨拶されてしまった。


それもとっておきの笑顔で……。



「おはよう。 急にどうしたの?」

「一緒に学校行こうと思って!」

「私じゃなくて、玲と行った方が楽しいんじゃない?」

「レイは仕事で休むんだって」



知らない土地で過ごすから不安なのかな?


きっとそうだよね。



「朝ご飯はもう食べたの?」

「まだだよ」



整った顔をしてるから、黙ってると近寄り難いんだけど、こうして無邪気に笑ってる姿は可愛いなって思う。



「私もまだだから一緒に食べよう」

「いいの?」

「勿論だよ」



荒木さんに二人分の朝食を用意してもらい、私たちはお喋りをしながらご飯を食べた。


カルロはまだお箸の使い方がぎこちなくて、一生懸命ご飯を食べている姿は微笑ましかった。


最近は家では一人で食事をする事が多かったから、こうして誰かと一緒に家で食事をするのは楽しかった。





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