お嬢様になりました。《番外編》
街を二人で歩いていると、女の子たちの視線を感じる。


カルロとすれ違う女の子たちは皆必ず振り返る。


そりゃそうだよね。


世界で活躍するモデルだもん。


スタイル、顔共に抜群だし、背も高くて身体は引き締まっている。



「次はあのお店入ろー!」



グイグイ制服を引っ張られる。


でっかい子供。


そんなギャップが余計カルロの魅力を際立たせるのかもしれない。



「はいはい、入ろう入ろう」



背中見てるだけでもカルロが楽しんでる様子が伝わってくる。


お店に入ろうとしたカルロが急に足を止め、振り向いた。



「ごめん、疲れたよね?」



シュン……とした顔をされ、その顔があまりにも可愛くて口元がつい緩む。



「このお店見たらどっかで休憩ね!」



そう言うと、カルロの顔がパッと笑顔になった。


可愛い奴め……。


今日何件目か分からない家具屋さんに入った。


越して来たばかりで家具がまだ揃ってないらしい。


真剣に物色している横顔は、お世辞抜きにかっこいい。


ついつい見惚れてしまう。



「ベッドはこれにしようかな」



いつもの癖で値段に目を向け固まった。





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