お嬢様になりました。《番外編》
「言いたい事があんならハッキリ言えよ」

「……昨日学校終わって何してたの?」



本当は聞くつもりなんてなかった。


半ばヤケクソだった。



「昨日はオヤジの仕事の手伝いしてた」

「…………」



嘘つき。


珍しく目泳がせちゃって……何言ってんだか……。



「隆輝こそハッキリ言えばいいじゃんっ、橘さんとデートしてたって!!」

「おまっ、何で……」



動揺する隆輝を見て、百パーセント確定した。


やっぱり昨日見かけたのは隆輝と橘さんだったんだ。



「バカ隆輝っ!!」

「バカはお前じゃねぇか!! お前だってカルロの奴とパーティーに行ったんだろうがよ!!」

「何それ!? ちゃんとメールしたのに返事も何もしなかったのは隆輝でしょ!?」

「自分に惚れてるって分かってる奴と普通はパーティーなんか行かねぇだろ!! バカじゃねぇの」



そんな言い方しなくてもいいじゃん。


本当は「行くな」って言ってほしかった。


そしたら私は……っ。


堪えていた涙がどんどん零れ落ちていく。



「言えばいいじゃん……もう私の事なんかっ、どうでもよくなったって……っ」

「おいっ!!!!!」



私は教室を飛び出した。


そしてそのまま走って学校からも飛び出した。





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