お嬢様になりました。《番外編》
幸いにも財布と携帯は持っていたから、移動するのに困る事はなかった。


歩いているといろんな人にジロジロと見られる。


制服の所為だと思う。


鳳の学生はこんな時間にウロウロしたりしないんだろうな。


携帯が震え出し、画面を見るとカルロから着信が入っていた。


カルロ、芽衣二人から何度着信があったか分からない。


心配してくれてるんだろうな……。


申し訳ないと思いながらも出る気分にはなれなくて、私は携帯の電源を落とした。


橘さんから連絡がくるとは思ってないけど、隆輝まで連絡くれないんだなって思った。


淡い期待が苦しみに変わっていく。


見慣れた学校が見えてきた。


懐かしい校門の前に着き、壁に背をつけ寄り掛かった。


なんかホッとする。


お祖父ちゃんに相談したら、またこの学校に通わせてもらえるかな？


もう、何か疲れちゃった……。


どのくらいボーッとしてたのか、気付けば一日の授業を終えた生徒達が次々と門を潜って帰って行く。


物珍しそうな視線にも慣れちゃった。






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