お嬢様になりました。《番外編》
えっ!?


急に竜樹が立ち上がった。



「俺が一発ぶん殴ってきてやるよ」

「は? えっ!?」



慌てて竜樹の腕を掴んだ。


な、ななな何言ってんの!!



「そんな事竜樹にさせらんないよ!!」

「ダチを傷付けられて黙ってられっか!!」



竜樹の言葉に更に涙が溢れた。


自分の事みたいに怒ってくれて嬉しかった。



「竜樹は大事な友達だから、私のせいで人を傷付けてほしくない。 それに私にも悪いところがあったから……隆輝だけが悪いわけじゃないよ……」

「竜樹君、ちょっと落ち着こう?」

「なっ、華っ……」

「私だってムカついてるんだからね!!」



下唇を噛み締めながら目に涙を溜めている華を見て、ギョッとする竜樹。


あたふたしながら華の頭を撫でる竜樹……その手に甘えるように涙を流し始める華……本当にお似合いの二人だと思う。



「二人とも本当にありがとう。 ふられたら傷心パーティーに付き合ってよね!!」

「もしも、もしもっ、葵の事ふるような事したらっ、私が一発引っ叩いてやるんだからぁー」

「華が引っ叩くなら俺が一発……」

「私はいいけど、竜樹君はダメなの!!」

「おい、めちゃくちゃだな……」



泣きじゃくる華に困り果てる竜樹を見ていたら、つい笑ってしまった。





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