お嬢様になりました。《番外編》
用意してもらった洋服を着てバスルームを出ると、執事さんが部屋まで案内してくれた。


部屋では隆輝がテレビを見ながらくつろいでいた。



「シャワーありがとう」

「あぁ」



隆輝が自分の隣をぽんぽんと手で叩いた。


隣に座れって事だよね?


素直に隣に座ると、グッと腰を抱かれ引き寄せられた。



「隆輝!?」

「遠いんだよ」



近いよ!!


私の心臓破裂させる気か!!



「お腹空いてるだろ? 何食べたい?」



隆輝が優しい。


嬉しいけど、慣れないからか落ち着かない。



「そんなにお腹空いてないから、このフルーツ食べていい?」

「こんだけでいいのかよ?」

「うん」

「じゃあ飲み物だけ用意させる」



目の前に置かれたカットされたマンゴーをフォークで刺し、口に運んだ。


甘くて美味しい。


朝から美味しいものを食べると、なんて贅沢なんだろうって思う。


隆輝たちからしてみれば普通の事かもしれないけどね。


昔の生活が抜けない私にしてみれば、全てが普通じゃないんだけどさ。





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