《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
霊穴はその口を開けてから暫くは出口が狭く、霊が出て来れない状態に有る。だがそれは1週間から10日を掛けて徐々に成長し、吐瀉を以てどんな霊も通れる霊道となる。
しかし口を開けた段階で冥界の臭気は噴き出しているから、霊能犬であるゼロはその臭いに逸イチ早く気付かねばならなかったのだ。
アアフッ アフッ アフッ
ゼロはエコバッグの中で言い訳するように鳴いた。
あの夜前田の病室で起こった出来事は、一気に吐き出された霊達が窓ガラスを破って現世に放たれた、その結果がもたらした物だったのだ。
吐瀉した霊穴は、常に冥界からの風を吹き出すようになる。それに乗って種々雑多な霊達が現世に吐き出されてしまう前に、咲邪達は一刻も早く霊穴を塞がなければならないのだ。
ブゥン
すると突然、咲邪のベースが1回鳴った。霊がかすめて行ったのだろう。
「吐瀉された霊達は、今はまだこの周りを飛び回ってるだけみたいね。でも早く集霊して、霊穴を塞がないと手遅れになるわ?」
「じゃあ今夜決行だなぁ。準備はゆっくり慎重にやりたかったのにぃ、こいつはぁぁ」
キャィィン
覇龍の放った肘打ちが、今度はゼロの背中にヒットした。
〇※○※○※
その夜。月が出ていない空はぶ厚い暗雲に覆われ、陰鬱に垂れ込めていた。低い雲に押し潰された空気は重苦しく澱んでいて、いつ霊が現れてもおかしくない雰囲気だ。
また改めて病院に集合した咲邪達は、丑三つ時を待って行動を開始する。
「まずは集霊よ? ほうぼうに悪霊共が散ってしまったら、始末におえないわ?」
「集霊結界の準備はオーケーだぞぉぉ、咲邪ぁぁ」
しかし口を開けた段階で冥界の臭気は噴き出しているから、霊能犬であるゼロはその臭いに逸イチ早く気付かねばならなかったのだ。
アアフッ アフッ アフッ
ゼロはエコバッグの中で言い訳するように鳴いた。
あの夜前田の病室で起こった出来事は、一気に吐き出された霊達が窓ガラスを破って現世に放たれた、その結果がもたらした物だったのだ。
吐瀉した霊穴は、常に冥界からの風を吹き出すようになる。それに乗って種々雑多な霊達が現世に吐き出されてしまう前に、咲邪達は一刻も早く霊穴を塞がなければならないのだ。
ブゥン
すると突然、咲邪のベースが1回鳴った。霊がかすめて行ったのだろう。
「吐瀉された霊達は、今はまだこの周りを飛び回ってるだけみたいね。でも早く集霊して、霊穴を塞がないと手遅れになるわ?」
「じゃあ今夜決行だなぁ。準備はゆっくり慎重にやりたかったのにぃ、こいつはぁぁ」
キャィィン
覇龍の放った肘打ちが、今度はゼロの背中にヒットした。
〇※○※○※
その夜。月が出ていない空はぶ厚い暗雲に覆われ、陰鬱に垂れ込めていた。低い雲に押し潰された空気は重苦しく澱んでいて、いつ霊が現れてもおかしくない雰囲気だ。
また改めて病院に集合した咲邪達は、丑三つ時を待って行動を開始する。
「まずは集霊よ? ほうぼうに悪霊共が散ってしまったら、始末におえないわ?」
「集霊結界の準備はオーケーだぞぉぉ、咲邪ぁぁ」