《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
ミツキと呼ばれたテディベアは目を閉じ、幸せそうに微笑んで言ったが、身体を起こしてまた前田を見詰めると、悲し気に眉根を寄せた。
「でも……お父さんに迷惑掛けちゃった。知らないうちに霊穴がくっ付いちゃってて……」
ただ成仏する前に大好きなお父さんに会いたかっただけのミツキは、霊穴が自分に付着しているとも知らずに前田の家へ行った。
最初の内は霊穴に集まってくる霊が色々な事を教えてくれて、ミツキも彼らと一緒に過ごして居たが、段々と前田に対して悪さを働くようになったので困っていたのだ。
「お父さんに車をぶつけようとしたやつがいて、ボク泣いて止めたんだ。でも駄目で……事故の時も一生懸命守ったんだけど……怪我させちゃってごめんね」
ミツキの憑依したテディベアは涙をポロポロこぼして前田に縋った。
「お、お前が助けてくれたのか? こんな酷い父さんを? お前を生まれさせてやる事も出来なかった、こんなどうしようもない父さんを!」
「ううん。いいんだよ。大好きなお父さんを見殺しには出来ないもん」
「ミツキぃぃ」
前田はミツキを抱き締め、流れる涙もそのままに声を上げて泣いていた。
「そんなに強く抱いたら痛いよお父さん。それと……ひとつお願いが有るんだぁ」
「ああごめんミツキ。どんなお願いだ?」
「うん。いつかあっち(冥界)に来たら遊んで欲しいんだ」
栗毛のテディベアは弱々しく、でも精一杯の力で微笑んだ。
「勿論だよ。遊び方を考えとかないとな、ミツキ!」
テディベアはそうしている間にも段々と生気を失っている。長く降霊状態に在った為、霊力が消耗してしまったようだ。
「でも……お父さんに迷惑掛けちゃった。知らないうちに霊穴がくっ付いちゃってて……」
ただ成仏する前に大好きなお父さんに会いたかっただけのミツキは、霊穴が自分に付着しているとも知らずに前田の家へ行った。
最初の内は霊穴に集まってくる霊が色々な事を教えてくれて、ミツキも彼らと一緒に過ごして居たが、段々と前田に対して悪さを働くようになったので困っていたのだ。
「お父さんに車をぶつけようとしたやつがいて、ボク泣いて止めたんだ。でも駄目で……事故の時も一生懸命守ったんだけど……怪我させちゃってごめんね」
ミツキの憑依したテディベアは涙をポロポロこぼして前田に縋った。
「お、お前が助けてくれたのか? こんな酷い父さんを? お前を生まれさせてやる事も出来なかった、こんなどうしようもない父さんを!」
「ううん。いいんだよ。大好きなお父さんを見殺しには出来ないもん」
「ミツキぃぃ」
前田はミツキを抱き締め、流れる涙もそのままに声を上げて泣いていた。
「そんなに強く抱いたら痛いよお父さん。それと……ひとつお願いが有るんだぁ」
「ああごめんミツキ。どんなお願いだ?」
「うん。いつかあっち(冥界)に来たら遊んで欲しいんだ」
栗毛のテディベアは弱々しく、でも精一杯の力で微笑んだ。
「勿論だよ。遊び方を考えとかないとな、ミツキ!」
テディベアはそうしている間にも段々と生気を失っている。長く降霊状態に在った為、霊力が消耗してしまったようだ。