《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
そうしている間にも梵字の山はどんどんその高さを増し、咲邪の腰程まで盛り上がった。
「オンアキシャビヤウンオンアキシャビヤウン、喝!」
そして覇龍が一喝すると山から山へ梵字が走り、部屋の床が梵字で四角く縁取られる。
「うんんん、喝」
2度目に一喝されると床が消え去り、そこに巨大な穴が現れた。霊穴が前田から切り離されて、病室の床に穴を開けたのだ。
ウォォォォオオオン ウォッウォォォォオオオン
冥界からの風が立てる音なのか、はたまた霊道に在る霊達の叫びなのか、その穴からは不気味な声が聞こえてくる。
「わぁぁっ、落ちっ落ちるううう」
病室の床が無くなって取り乱した前田は、華奢な咲邪の身体を掻き折らんばかりに抱き付いた。
「痛いイタイ前田さんっ! 霊穴は分離されたわ? そしてこの穴にこの世の物が落ちることは無いのっ、安心してっ、大丈夫だからぁっ」
ベッド上の前田は、咲邪の身体から放れると頭を掻いて照れている。
「まだだ。霊穴の淵が見えない」
斬汰が床を見回してぼそっと言うと、覇龍はまた一際キツイ喝を入れた。
「くわぁぁあアァァァァツ!」
たちまち病室の壁や天井が消え去り、咲邪達とベッドなどの備品が宙に浮いているようになった。
「うひゃぁぁあ」
「前田さんっ、大丈夫だって!」
そうは言っても、何も無い空間の下には緑色の淵が付いた巨大な穴が口を開けているのだ。前田でなくともその恐ろしさには震えてしまうことだろう。
「覇龍さん。何もここまで結界を広げなくたって……」
「限界まで広くしたんだぁ。大はぁ、小をぅ兼ねるだろうぅ」
「オンアキシャビヤウンオンアキシャビヤウン、喝!」
そして覇龍が一喝すると山から山へ梵字が走り、部屋の床が梵字で四角く縁取られる。
「うんんん、喝」
2度目に一喝されると床が消え去り、そこに巨大な穴が現れた。霊穴が前田から切り離されて、病室の床に穴を開けたのだ。
ウォォォォオオオン ウォッウォォォォオオオン
冥界からの風が立てる音なのか、はたまた霊道に在る霊達の叫びなのか、その穴からは不気味な声が聞こえてくる。
「わぁぁっ、落ちっ落ちるううう」
病室の床が無くなって取り乱した前田は、華奢な咲邪の身体を掻き折らんばかりに抱き付いた。
「痛いイタイ前田さんっ! 霊穴は分離されたわ? そしてこの穴にこの世の物が落ちることは無いのっ、安心してっ、大丈夫だからぁっ」
ベッド上の前田は、咲邪の身体から放れると頭を掻いて照れている。
「まだだ。霊穴の淵が見えない」
斬汰が床を見回してぼそっと言うと、覇龍はまた一際キツイ喝を入れた。
「くわぁぁあアァァァァツ!」
たちまち病室の壁や天井が消え去り、咲邪達とベッドなどの備品が宙に浮いているようになった。
「うひゃぁぁあ」
「前田さんっ、大丈夫だって!」
そうは言っても、何も無い空間の下には緑色の淵が付いた巨大な穴が口を開けているのだ。前田でなくともその恐ろしさには震えてしまうことだろう。
「覇龍さん。何もここまで結界を広げなくたって……」
「限界まで広くしたんだぁ。大はぁ、小をぅ兼ねるだろうぅ」