《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
「そもそもぉ、なんでミーティングと言えば俺んちなんだぁぁ?」
覇龍の部屋はスタジオからも近い為、練習後にみんなが集まるのに最適なのである。
「せめてファミレスで話す位の経費はないのかぁぁ? ええぇ? かいチョンんむ!」
そう言われたかいチョンはポケットからフェイスタオルを出して、頻りに汗を拭っている。
「そ、それはもう申し訳ないことだとは思ってますよ? でも我々はしがないインディーズレーベルの弱小プロダクションですよ。ここはひとつ耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでですね……」
『クロレト』はインディーズの中でも中堅に位置するバンドだ。メジャーデビューの話も幾つか有ったが、覇龍の音楽性とレーベル側の意向が噛み合わずにここ迄来ていた。
「それは別としてもぉ、俺達は音楽で勝負したいんだぜぇぇ? 曲だけを取ってみればぁ、欧米にだってひけは取らないんだぁ」
確かに他のV系バンドに比べると、男性客や外人客の数が遥かに多い。彼らはライブを「観に」来ているのではなく、音楽を「聴きに」来ているファン達だ。
「それは勿論そうよ? 私だってそこが一番の要だもの。でもね……」
咲邪は自慢の栗毛をいじるのをやめ、折り畳み椅子から立ち上がった。
「でもヴィジュアルからでも興味を持って貰えれば、ファン層だって広がるじゃない? そのファンを私達の音で魅了すればいいわけでしょ?」
「まあナンだ、そう言われればそうだ」
「入り口は正直何でもいいのよ。客引きはあざとい位が丁度いいのっ! 要は聴いて貰う為なんだから」
咲邪の熱は冷めやらないどころか、どんどん拍車が掛かっていく。
覇龍の部屋はスタジオからも近い為、練習後にみんなが集まるのに最適なのである。
「せめてファミレスで話す位の経費はないのかぁぁ? ええぇ? かいチョンんむ!」
そう言われたかいチョンはポケットからフェイスタオルを出して、頻りに汗を拭っている。
「そ、それはもう申し訳ないことだとは思ってますよ? でも我々はしがないインディーズレーベルの弱小プロダクションですよ。ここはひとつ耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでですね……」
『クロレト』はインディーズの中でも中堅に位置するバンドだ。メジャーデビューの話も幾つか有ったが、覇龍の音楽性とレーベル側の意向が噛み合わずにここ迄来ていた。
「それは別としてもぉ、俺達は音楽で勝負したいんだぜぇぇ? 曲だけを取ってみればぁ、欧米にだってひけは取らないんだぁ」
確かに他のV系バンドに比べると、男性客や外人客の数が遥かに多い。彼らはライブを「観に」来ているのではなく、音楽を「聴きに」来ているファン達だ。
「それは勿論そうよ? 私だってそこが一番の要だもの。でもね……」
咲邪は自慢の栗毛をいじるのをやめ、折り畳み椅子から立ち上がった。
「でもヴィジュアルからでも興味を持って貰えれば、ファン層だって広がるじゃない? そのファンを私達の音で魅了すればいいわけでしょ?」
「まあナンだ、そう言われればそうだ」
「入り口は正直何でもいいのよ。客引きはあざとい位が丁度いいのっ! 要は聴いて貰う為なんだから」
咲邪の熱は冷めやらないどころか、どんどん拍車が掛かっていく。