《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
今日のライヴもまあ盛況の内に終わったが、やはり地方の公演なので収益率はあまり良いとは言えない。
かいチョンの愚痴をメインディッシュに郷土料理を味わった咲邪達が、束の間の休息を楽しむ間もなく、霊は現れていた。
かいチョンは酔い潰れてしまい、別室で夢の中である。
「マキは天狗の霊だって言ってたわよ」
「いやぁ。沢山の動物霊も問題だぞぉぉ」
「天狗に比べれば犬猫なんてチョロいわよ。私達なんか団扇で吹き飛ばされちゃうかもしれないわよ?」
ヒュゥゥゥ
まるで咲邪に答えるかのように一陣の風が吹き渡った。窓も開けていない部屋の中に風が吹くなど有り得ない。
「出たなぁぁ?」
覇龍は霊毛で出来た筆とタスキをギターケースのポケットから取り出すと、急いで結界を張る準備を整える。
「覇龍さん。手強そうよ、吸収結界を張って!」
一頻り音が高くなったベースの音色を聞いて、咲邪が指示を飛ばす。
「解ったぁぁ……おん、きりきり」
覇龍は霊毛で出来た筆に真言を込めると、右手を高々と挙げ、梵字を書いた。
「かぁぁぁぁっ!」
気合いと共に薄い水色のモヤが掛かった結界が張られる。咲邪は抱いていたテディベアをその中へ投げ入れると真言を唱え、印を振り下ろした。
ビシビシビシィッ
電流と共に体毛を銀色にしたテディベアが痙攣した。
……ニャァァオ
「間違ったわ? 手下の動物霊を降ろしちゃった。逝きなさい、シュッ」
咲邪は猫の霊を祓うとすぐさま真言を唱え直した。するとテディベアの毛色が真紅に染まり、目的の霊が姿を現わした。
かいチョンの愚痴をメインディッシュに郷土料理を味わった咲邪達が、束の間の休息を楽しむ間もなく、霊は現れていた。
かいチョンは酔い潰れてしまい、別室で夢の中である。
「マキは天狗の霊だって言ってたわよ」
「いやぁ。沢山の動物霊も問題だぞぉぉ」
「天狗に比べれば犬猫なんてチョロいわよ。私達なんか団扇で吹き飛ばされちゃうかもしれないわよ?」
ヒュゥゥゥ
まるで咲邪に答えるかのように一陣の風が吹き渡った。窓も開けていない部屋の中に風が吹くなど有り得ない。
「出たなぁぁ?」
覇龍は霊毛で出来た筆とタスキをギターケースのポケットから取り出すと、急いで結界を張る準備を整える。
「覇龍さん。手強そうよ、吸収結界を張って!」
一頻り音が高くなったベースの音色を聞いて、咲邪が指示を飛ばす。
「解ったぁぁ……おん、きりきり」
覇龍は霊毛で出来た筆に真言を込めると、右手を高々と挙げ、梵字を書いた。
「かぁぁぁぁっ!」
気合いと共に薄い水色のモヤが掛かった結界が張られる。咲邪は抱いていたテディベアをその中へ投げ入れると真言を唱え、印を振り下ろした。
ビシビシビシィッ
電流と共に体毛を銀色にしたテディベアが痙攣した。
……ニャァァオ
「間違ったわ? 手下の動物霊を降ろしちゃった。逝きなさい、シュッ」
咲邪は猫の霊を祓うとすぐさま真言を唱え直した。するとテディベアの毛色が真紅に染まり、目的の霊が姿を現わした。