《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
「ぅゎははははは。何だ貴様ら。

 こんな狭っ苦しい器に閉じ込めおって、儂と勝負でもしようというのか?

 しかし。これしきのことで儂の神通力が封じ込められるとでも思うたか。甘いわ!」



  ブ…… ブブ…… ブ



 降霊状態で有るのにも拘わらずベースが振動している。咲邪達の操る守護霊達でさえ、ここまで霊力を高められるのは忠恒(ユッキー)位である。


「咲邪気を付けるんだ。こいつはかなりの霊力だ」


 拳から霊炎を噴出させ、斬汰が身構えながら叫ぶ。


「葉団扇ヨウダンセン!」


 天狗の乗り移ったテディベアがひと声発すると、その手に団扇ウチワが握られた。


「ぅわははは、吹き飛ばしてやろうぞ」


 天狗はひと扇ぎするが、結界の中の空気だけが激しく渦巻いた。


「なに? ちょこざいな。そりゃあっ」


 天狗はもうひと扇ぎ振り抜く。



 ゴォォォォッ



 その風に咲邪の前髪が揺れた。


「凄いっ! 結界の壁が有るのにっ。まずいわよ覇龍さんっ」


「ちっ、甘くねぇなぁ……センダリマトウギソワカァ、カァアアアツ!」


 結界の周りを梵字が走り、一周する。気体のようだった水色のモヤがゲル状になり、テディベアの動きを阻む。


「ぬおおっ、これはなんだぁ! 貴様ら何者だっ?」


 その言葉を聞いた途端に咲邪の顔が輝いて、口上を述べ始めた。


「呼ばれた訳じゃないけれど……」


 覇龍が続ける。


「放って置ける訳もない……」


 そして斬汰が一歩踏み出して言った。


「現世の生命脅かす、魔性の類いを駆逐する……」


「V系霊媒師咲邪!」


「同じく結界師覇龍!」


「同じく封印師斬汰! ここに推参!」


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