《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
霊は人間の心の隙間に入り込み、正体不明の物に対する恐怖心を増大させ、いいように操る。
しかしこの二代目の価値観には「金を損する恐怖心」以外の気持ちが無かった。従ってグヒンは彼に対して付け入る隙が無く、何の手出しも出来なかったのだ。
「それで儂は動物達を使って、この旅館に人が寄り付かぬように仕向けた」
しかし二代目は客の激減した旅館の経営をアッサリと諦め、先祖代々から続いていたこの旅館を二束三文で売り渡してしまった。
「そうして儂は、やり場の無い怒りをここへ泊まりに来る人間共にぶつけておったのだ」
咲邪達は神妙な顔でグヒンの話を受け止めた。
「そう……でも斬汰の浄拳で心を洗われた貴方になら解るわよね? それが『輪廻の道理』に反するって事を」
浄拳に撃ち抜かれた霊は霊力を奪われると共に、この世の理コトワリを知る。
「ああ、そのようだな。儂はただ悪戯に、魂達が行う『現世での修行』を妨げていただけのようだ」
グヒンの乗り移ったテディベアは、微動だにせず言う。
「しかし、そうなると……」
グヒンはまた座り直すと、全身から激しくオーラを噴き出し始めた。赤いオーラは勢いを増し、爆発的に霊炎となって燃え盛る。
「もう、取り返しは付かないという事だな!」
グヒンはまた団扇を手に取ると、ゆるゆると立ち上がった。
「お主らには敵わずとも、一矢報いてやることは可なり。1人でも2人でも地獄へ道連れにしてくれようぞ!」
グヒンは葉団扇を振りかぶる。その霊力に、結界内に充たされたゲルが波打った。
「あいつぅぅ、浄拳に貫かれた癖にぃ、まだあんな霊力を残していたのかぁぁっ!」
しかしこの二代目の価値観には「金を損する恐怖心」以外の気持ちが無かった。従ってグヒンは彼に対して付け入る隙が無く、何の手出しも出来なかったのだ。
「それで儂は動物達を使って、この旅館に人が寄り付かぬように仕向けた」
しかし二代目は客の激減した旅館の経営をアッサリと諦め、先祖代々から続いていたこの旅館を二束三文で売り渡してしまった。
「そうして儂は、やり場の無い怒りをここへ泊まりに来る人間共にぶつけておったのだ」
咲邪達は神妙な顔でグヒンの話を受け止めた。
「そう……でも斬汰の浄拳で心を洗われた貴方になら解るわよね? それが『輪廻の道理』に反するって事を」
浄拳に撃ち抜かれた霊は霊力を奪われると共に、この世の理コトワリを知る。
「ああ、そのようだな。儂はただ悪戯に、魂達が行う『現世での修行』を妨げていただけのようだ」
グヒンの乗り移ったテディベアは、微動だにせず言う。
「しかし、そうなると……」
グヒンはまた座り直すと、全身から激しくオーラを噴き出し始めた。赤いオーラは勢いを増し、爆発的に霊炎となって燃え盛る。
「もう、取り返しは付かないという事だな!」
グヒンはまた団扇を手に取ると、ゆるゆると立ち上がった。
「お主らには敵わずとも、一矢報いてやることは可なり。1人でも2人でも地獄へ道連れにしてくれようぞ!」
グヒンは葉団扇を振りかぶる。その霊力に、結界内に充たされたゲルが波打った。
「あいつぅぅ、浄拳に貫かれた癖にぃ、まだあんな霊力を残していたのかぁぁっ!」