《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
「待ちなさいっ!」


 咲邪がグヒンに向かって叫ぶ。


「貴方も守護霊になって、私達と一緒に戦えばいいのよ! そうすれば過去の過ちも免罪されるわ!」


「そうだ。失敗は悔い改めればいいんだ」


「だから俺達と一緒にぃ、悪霊達と戦おうぜぇぇ?」


 覇龍はノリノリでテディベアに右手を差し出した。


「何? そんな容易いことでやり直せるのか?」


 急速にグヒンの霊炎が消え。そのオーラも小さくなっていく。


「我が名は高島坊タカシマボウ、狗賓とされている。とはいえ、戦う要領が全く解らんのだが」


 高島坊は戸惑いを隠せない。


「それだったら、あたしが教えてやるべさ。覇龍、吸収結界を解くべさ」


 ポッと萌えリンが現れて言った。吸収結界の中では萌えリンでさえ霊力を吸い取られてしまうからだ。


「解ったぜぇぇ。……マトウギソワカ」


 水色のゲルが一気に無くなって普通の霊視結界に戻った。急に現れた萌えリンに、高島坊が驚いている。


「なんだ? この人魂は」


「人魂じゃねぇべさ、高島坊。ちょっとあたしに触れてみるだわさ」


 狗賓グヒン、高島坊は言われるままにテディベアになった手を差し込んだ。


「ぬ、………ぅ、……ぅぉぉぉぉぉおおおっ!」


 ほの青い光を帯びて、白眼を剥きながら痙攣している。


「わわわわ、あい解った。そなた様の霊力は十分身に染みたとも」


 咲邪達も萌えリンの本性は拝んだ事がないが、実態はかなりの高級霊らしい。


「あたしが鍛えてやるべさ。おいで、高島坊」


「逃げ出すなよぉぉ?」


「悪霊になりたくなかったら我慢だ」


「頑張ってねぇ、タカちゃん」


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