《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
「はぁっ、やっとひと心地着いたぁぁ。しっかしここは何も無いトコだなぁぁ」
ここは駅前のシティホテル。駅前とは言っても大都会のそれではなく、地方都市からまた更に下った沿線の駅。
ライブを終えた咲邪達はホテルに戻り、やっとのんびりとしている所だった。
普段から打ち上げで大宴会に興じるタイプでは無い咲邪達ではあったが、コンビニさえも無いこの場所では、些か暇を持て余している彼らだった。
「ねぇ皆さん、聞いて下さいよ」
マネージャー兼プロデューサーのかいチョンが咲邪達を見回しながら口を開いた。
「なんだよぉぉ、また文句かぁぁ?」
覇龍が不機嫌さを隠しもせずに、タバコの煙を吹き出した。
「いや、ええ。前から言っているように、せめてキーボードの女の子でも居れば、パッと華やぐってモンじゃないですか?」
かいチョンはいつもこう言う。覇龍が多用する打ち込み部分を何とか人の手で行わせたいらしい。
「やっぱり打ち込みは固過ぎるんですよ。自由度も低いし……特にライブでは……」
「俺達は3人居れば十分だ。女の必要がドコに有るんだ」
かいチョンの言葉を遮ったDr.斬汰は、狭い会場を渡り歩いて改めて思っていた。【これでもし5ピースバンドにでもなったら、俺はステージに埋もれてしまう】と。
「斬汰は自分が目立たなくなるのが嫌なのよね」
「う、咲邪……なんだ!」
心を見透かされ、たじろぐ斬汰。その話が掘り下げられないように、然り気無く話題を変えた。
「しかしなんだ。今日の対バン、ファンの雰囲気が尋常じゃ無かったんだ」
「ああ、あれは盛り上がりっていうより、寧ろ狂喜に近かったわよね」
斬汰の作戦は功をそうして、咲邪が話題に乗っかって来た。斬汰はホッと胸を撫で降ろす。
「彼らとは明日も一緒にステージが有ります。地元の人気バンドですから、この辺での知名度を上げるチャンスですよ?」
ここは駅前のシティホテル。駅前とは言っても大都会のそれではなく、地方都市からまた更に下った沿線の駅。
ライブを終えた咲邪達はホテルに戻り、やっとのんびりとしている所だった。
普段から打ち上げで大宴会に興じるタイプでは無い咲邪達ではあったが、コンビニさえも無いこの場所では、些か暇を持て余している彼らだった。
「ねぇ皆さん、聞いて下さいよ」
マネージャー兼プロデューサーのかいチョンが咲邪達を見回しながら口を開いた。
「なんだよぉぉ、また文句かぁぁ?」
覇龍が不機嫌さを隠しもせずに、タバコの煙を吹き出した。
「いや、ええ。前から言っているように、せめてキーボードの女の子でも居れば、パッと華やぐってモンじゃないですか?」
かいチョンはいつもこう言う。覇龍が多用する打ち込み部分を何とか人の手で行わせたいらしい。
「やっぱり打ち込みは固過ぎるんですよ。自由度も低いし……特にライブでは……」
「俺達は3人居れば十分だ。女の必要がドコに有るんだ」
かいチョンの言葉を遮ったDr.斬汰は、狭い会場を渡り歩いて改めて思っていた。【これでもし5ピースバンドにでもなったら、俺はステージに埋もれてしまう】と。
「斬汰は自分が目立たなくなるのが嫌なのよね」
「う、咲邪……なんだ!」
心を見透かされ、たじろぐ斬汰。その話が掘り下げられないように、然り気無く話題を変えた。
「しかしなんだ。今日の対バン、ファンの雰囲気が尋常じゃ無かったんだ」
「ああ、あれは盛り上がりっていうより、寧ろ狂喜に近かったわよね」
斬汰の作戦は功をそうして、咲邪が話題に乗っかって来た。斬汰はホッと胸を撫で降ろす。
「彼らとは明日も一緒にステージが有ります。地元の人気バンドですから、この辺での知名度を上げるチャンスですよ?」