《改稿中》V系霊媒師「咲邪」†SAKUYA†《改稿中》
今日の対バン『カシードラル2(カシードラルカシードラル)』は地元のデスメタルバンドだ。
大口径のツーバス(バスドラムが2つ付いているドラムセット)から放たれる機関銃のようなリズムに乗せて、地の底から聞こえてくる悪魔の声さながらに叫ぶヴォーカルが特徴だ。
勿論V系のご他聞に漏れず、メンバー達はみな綺麗な顔立ちをしていた。
「確かにドラムの重量感はぁ、物凄いよなぁぁ」
覇龍が煙草の煙と共に吐き出した。
「あれ位のビート、ドラマーなら誰でも刻めるんだ。当然だ」
斬汰が不機嫌そうに吐き捨てる。
「確かにビジュアルはいいけど、ベースはずっとルート弾ビき(和音の根音を弾く事)だし、単純よね」
咲邪の言葉に頷きながら、タバコを灰皿に押し付けて立ち上がりながら覇龍が言う。
「ギターも音はガッチャガチャだぁぁ」
それを黙って聞いていたかいチョンは、とうとう見兼ねて言った。
「そんな事、あちらには直接言わないで下さいよ? 仲良くして貰わないと困りますよ」
苦労してやっとブッキングした地元の人気バンドだ。ここは何とか穏便に乗り切りたいらしい。
「じゃ、私は明日の準備が有りますので」
そう言うとかいチョンは部屋を辞した。
「……で、あのファン達の事だけど、どう?」
かいチョンがいなくなるのを見計らっていたように咲邪が切り出した。
「俺もヤバイんじゃないかとぉ、感じてたんだぁぁ」
『カシードラル2』略して『カシカシ』は、ファンの事を『鬼の子』と呼び、自ら達は鬼の生まれ変わりだと言っている。
良く有る悪魔崇拝のゴシックバンドと大して違いは無いのだが、彼らが演奏している間中、咲邪のベースが鳴りっ放しだったのだ。
霊毛で出来たベースの弦は霊に反応し、震えて音を出す。言うなれば『カシカシ』が演奏していた間中、ライブハウスには霊が存在していたという事になる。
大口径のツーバス(バスドラムが2つ付いているドラムセット)から放たれる機関銃のようなリズムに乗せて、地の底から聞こえてくる悪魔の声さながらに叫ぶヴォーカルが特徴だ。
勿論V系のご他聞に漏れず、メンバー達はみな綺麗な顔立ちをしていた。
「確かにドラムの重量感はぁ、物凄いよなぁぁ」
覇龍が煙草の煙と共に吐き出した。
「あれ位のビート、ドラマーなら誰でも刻めるんだ。当然だ」
斬汰が不機嫌そうに吐き捨てる。
「確かにビジュアルはいいけど、ベースはずっとルート弾ビき(和音の根音を弾く事)だし、単純よね」
咲邪の言葉に頷きながら、タバコを灰皿に押し付けて立ち上がりながら覇龍が言う。
「ギターも音はガッチャガチャだぁぁ」
それを黙って聞いていたかいチョンは、とうとう見兼ねて言った。
「そんな事、あちらには直接言わないで下さいよ? 仲良くして貰わないと困りますよ」
苦労してやっとブッキングした地元の人気バンドだ。ここは何とか穏便に乗り切りたいらしい。
「じゃ、私は明日の準備が有りますので」
そう言うとかいチョンは部屋を辞した。
「……で、あのファン達の事だけど、どう?」
かいチョンがいなくなるのを見計らっていたように咲邪が切り出した。
「俺もヤバイんじゃないかとぉ、感じてたんだぁぁ」
『カシードラル2』略して『カシカシ』は、ファンの事を『鬼の子』と呼び、自ら達は鬼の生まれ変わりだと言っている。
良く有る悪魔崇拝のゴシックバンドと大して違いは無いのだが、彼らが演奏している間中、咲邪のベースが鳴りっ放しだったのだ。
霊毛で出来たベースの弦は霊に反応し、震えて音を出す。言うなれば『カシカシ』が演奏していた間中、ライブハウスには霊が存在していたという事になる。