スイート・プロポーズ

知られたくないと言うより、単純に恥ずかしいのだ。


「･･････」


何かで聞いたことがある。

女は思うよりも思われる方が幸せだ、と。

自分には贅沢とも言えるような相手が、好きだと言ってくれている。


ただ、優良物件だから、と飛び付くのは失礼すぎる、という気持ちは変わらない。

きちんと考えて、答えを出さなくては。


「･･････ふぅ」


寝返りを打ち、ギュッと枕を抱きしめる。


夏目の理由を聞き、彼に見つめられた時、決めていたはずの答えが揺らいだのは確かだ。

答えが揺らぐのは、気持ちが揺らいでいるから、かもしれない。


「好きに、なる･･････？」


夏目のような深い愛に、短期間では辿り着けない。