スイート・プロポーズ
それに、夏目は自分と同じだけの気持ちを、円花に求めていないだろう。
今、円花が出すべきなのは、そういう答えではない。
夏目 優志―――自分の上司を、ひとりの男として見れるか否か、ということだ。
円花は瞼を閉じて、波の音に耳を傾ける。
明日も早い。
考えるのはやめて、今夜は静かに眠ろう。
「おやすみなさい・・・・・・」
ぽつりと呟き、円花は波の音を子守唄に、深い眠りへと落ちていった。