スイート・プロポーズ
「何を言いたいのか知らないけど、当たり前でしょ」
美琴は即答して、笑ってみせた。
「名刺を破り捨てたのだって、後悔してないし」
(それは聞いてないし、結局、自分で言っちゃってるじゃない)
円花は苦笑いしつつ、携帯で時間を確認する。
「あと、もうひとつアドバイスするなら、ふたりきりになってみることね」
「ふたりきり? どうして?」
円花は意味が分からなくて、小首を傾げる。
「ふたりきりでいる時、自分が相手をどう思ってるのか、わかると思うけど?」
「・・・・・・」
「ふたりきりだとドキドキするとか、沈黙が耐えられないとか。揺れてるんでしょ? 自分の気持ちをハッキリさせるなら、行動しないと」
先程の、自分の気持ちに素直になれ、というアドバイスよりも具体的なアドバイスではある。