スイート・プロポーズ
怪訝な視線を気にした様子もなく、夏目は何かを持って戻ってきた。
「誕生日プレゼント」
「・・・・・・もらいましたけど」
嫌味を込めて言う円花に、夏目は苦笑を返す。
「こっちが本当の誕生日プレゼントだ」
「・・・・・・ありがとうございます」
疑いを残しつつ、円花は綺麗なラッピングを解き、小さな箱のフタを開ける。
「・・・・・・可愛い」
箱の中には、手の平におさまるサイズのボトルフラワー。
密閉されたボール型のボトルの中には、ピンクのバラが飾られている。
「・・・・・・聞いてもいいですか?」
「ん?」
「私が断っても、このプレゼント、くれました?」
ちょっと性格悪い質問だったかもしれない。