スイート・プロポーズ

怪訝な視線を気にした様子もなく、夏目は何かを持って戻ってきた。


「誕生日プレゼント」

「・・・・・・もらいましたけど」


嫌味を込めて言う円花に、夏目は苦笑を返す。


「こっちが本当の誕生日プレゼントだ」

「・・・・・・ありがとうございます」


疑いを残しつつ、円花は綺麗なラッピングを解き、小さな箱のフタを開ける。


「・・・・・・可愛い」


箱の中には、手の平におさまるサイズのボトルフラワー。

密閉されたボール型のボトルの中には、ピンクのバラが飾られている。


「・・・・・・聞いてもいいですか?」

「ん?」

「私が断っても、このプレゼント、くれました?」


ちょっと性格悪い質問だったかもしれない。


< 149 / 294 >

この作品をシェア

pagetop