スイート・プロポーズ

それに気づいた夏目が、ボトルフラワーを円花の手からデスクへと移動させる。


「これで集中できるか?」

「うっ・・・・・・」


試すような笑みを向けられ、円花は答えに詰まる。

そんな円花を見て、夏目が楽しげに笑う。


「―――円花、こっち見て」

(名前・・・・・・)


呼ばれたら、なんだかくすぐったいような、そんな気持ちになった。


互いの唇を重ねると同時に、円花は夏目の首に腕を回す。

唇が、深く重なる。


「・・・・・・っ」


舌先を、噛まれた。

甘い痛みに、身体が震える。


「ふぁ・・・・・・」


次いで、癒すような優しいキスに、甘い声が漏れた。

もう少し、手加減してほしい。


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