スイート・プロポーズ

「あっつい!」


外へ出るなり、美琴が怒りを含んだ声を上げた。


「確かに、暑いわね」


夏の太陽は、焼け付くような陽射しで、ふたりを照らしていた。





―――・・・・・・。

(・・・・・・目疲れた)


長時間のパソコンで、目が疲れてしまった。

いくつか雑誌の編集と会う仕事が重なっているので、一気に資料へ目を通してしまおうと思ったのが良くなかったらしい。

円花は席を立ち、給湯室へ向かった。


(砂糖入れて甘くしよ)


いつもより多めに砂糖を入れる。

目もだが、頭もなんだか疲れているような気がして、糖分が欲しい気分だ。


「うわ、甘っ」

「入れすぎ、だな」

「!」


聞き覚えのある声に、円花は思わずカップを落としそうになるくらい、驚いた。


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