スイート・プロポーズ

けれど、デートというのは久しぶりだ。


「・・・・・・美琴にメールしとこ」


動揺を誤魔化すように、円花は携帯を取り出した。





―――・・・・・・。

仕事終わり、夏目に連れて来られたのはお洒落な雰囲気の居酒屋。

個室もあるらしく、円花と夏目は個室で向かい合う形を取っている。


(美味っ)


新鮮なお魚の刺身の美味しさに、円花は頬が緩む。

夏目は徳利に手を伸ばし、日本酒を注いでいる。


「・・・・・・雰囲気の良いお店ですね」


円花は箸を止め、夏目へと視線を移す。


「接待で教えてもらったんだ。意外とリーズナブルで、気に入ってる」

「へぇ・・・・・・あ、部長も食べます? 美味しいですよ」


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