スイート・プロポーズ
(なんか、餌付けされてる気分だわ)
先程から、箸が進んでいるのは円花ばかりだ。
夏目は徳利の2本目と、料理よりもお酒ばかり口に運んでいる。
「・・・・・・」
「緊張してるのか?」
見透かされて、円花は答えに困る。
否定すれば嘘になるが、素直に頷くのも癪だ。
そんな円花を見て、夏目はおかしそうに笑う。
「お互い様だ」
「・・・・・・部長も緊張、してるんですか?」
肯定するような笑みを浮かべて、夏目は新しく日本酒を注ぐ。
(そういえば、お酒のペースが早いような・・・・・・)
気のせいだと思っていたが、本当にそうだったとは。
「仕事ではスラスラ話せるのにな」
(緊張してるようには見えないけど・・・・・・)