スイート・プロポーズ

「それに、自宅へ呼んでる時点で、夏目部長もそれなりの下心があるんじゃない?」


カラン、とグラスの中の氷が涼やかな音をたてる。


「下心・・・・・・。でも、部長って淡泊そうなイメージあるんだけど」

「まぁ、確かに」


ストイック、とでも言うのか。


(でも、キスは上手・・・・・・って、何考えてんだろ、私)


頭に浮かんだ恥ずかしい思考を振り払い、アイスコーヒーを流し込む。


「でも、順調みたいで安心した」

「そう、ね。まだ、いろいろと戸惑うこともあるけど、順調だと思うわ」


円花が笑うと、美琴も嬉しそうに笑う。


「で、美琴は?」

「何が?」


< 183 / 294 >

この作品をシェア

pagetop