スイート・プロポーズ
幸い明日は休日なので、仕事に差し障りはないが。
「あいつは歓迎会を口実に、飲みたいだけだからな」
「そうですね」
ついでに、騒ぎたいのだろう。
彼にとっては、ある種のストレス発散なのだ。
「小宮」
「はい?」
他に忘れ物がないかチェックする円花を、夏目が呼ぶ。
「個人的なことを聞いてもいいか?」
「答えられるものであれば」
夏目が部下のプライベートに興味を持つとは珍しい。
円花は視線を夏目に定め、質問を待つ。
「つき合ってる奴はいるか?」
「へ?」
予想していなかった質問に、まさしく間抜けとしか言いようのない声が漏れてしまった。
「つき合ってる奴。彼氏はいるのか?」
「いませんが・・・・・・」