スイート・プロポーズ
だが、23歳ならば前途洋々と言ったところか。
昔は1歳2歳の差なんて気にもしていなかったが、今はとても気になる。
これが、大人の女性にになるってことなのか……。


「お恥ずかしい話ですが、彼氏はいないです」

「そ、そうなの……?」


フリーとはもったいない。
円花が男なら、絶対に波奈を選ぶのに。


「あ、でも好きな人はいます」

「…………え?」


頬を赤らめて、波奈が教えてくれた。
とても可愛らしいのだが、円花の心中は穏やかとは言い難い。


「そ、それっと……同じ会社の人だったりする?」

「はい」


ビンゴ!
思いつく人物は、ひとりしかいない。


「でもその人、彼女がいるので……」

「え?!」


波奈の一言で、円花は思考の海から引き戻される。
まさか、バレてる?


「ど、どこでそれを?」

「本人が言ってました。小宮さんもご存知では?」

「し、知らないけど……」


まさか、夏目が公言していると?

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