スイート・プロポーズ
(あ、この時間ならちょうどいい電車が)
円花はバッグを手に、オフィスを足早に出ていった。
―――・・・・・・。
マンションの自分の部屋に帰ってきた円花は、スーツを脱ぎ部屋着へと着替える。
歓迎会と言う名の飲み会で、一応それなりに食べたので、お腹は空いていない。
「今日も疲れた。・・・・・・あれって、現実かな」
古典的だけど、自分の頬をつねってみる。
「いひゃい・・・・・・。ということは、夢じゃない?」
赤くなった頬をさすり、円花は先程、夏目に言われた言葉を思い出す。
【お前が好きだからだ】
「は、恥ずかしすぎるっ」
もう本当に、夢としか思えないようなストレートな告白。
円花は枕に顔を埋め、赤くなった顔を隠す。