スイート・プロポーズ
完成したパスタは、さっぱりとした味の和風テイスト。
「お口に合えばいいんですけど」
夏目の前に出せば、変な緊張が訪れる。
「ど、どうですか?」
一口食べた夏目に、恐る恐る問いかける。
「美味しいよ。やっぱり、料理上手だな」
「良かったです……」
安堵の息をつき、円花は箸を手に取る。自分でも変なこだわりだと思うのだが、和風のパスタの時は、どうしてもフォークじゃなくて箸を使う。
「梅が入ってるんだな」
「嫌いでしたか?」
「いや、好きだよ。夏はよく食べる」
作る前に、好き嫌いを聞いておけばよかった。
けれど、その心配は杞憂だったようだ。夏目はパスタを、1本残らず食べきってくれた。
「……小宮。少し、時間をもらってもいいか?」
皿を洗い終えたのと同時に、夏目が真面目な声で円花を呼ぶ。
急になんだろう?
円花は一抹の不安を胸に、テーブルを挟んだ夏目の前に腰を下ろす。
「なんですか、改まって」
「…………いつ話すべきか、ずっと悩んでいた。けど、いつか話さなきゃいけないなら、自分から話すべきだと思うんだ」
嫌な予感がする。立ち上がって、話を遮りたくなる。
でも、そんなこと出来るはずがない。
だから、黙って夏目の話を聞いていた。
「俺に、海外転勤の話が出てる」
「お口に合えばいいんですけど」
夏目の前に出せば、変な緊張が訪れる。
「ど、どうですか?」
一口食べた夏目に、恐る恐る問いかける。
「美味しいよ。やっぱり、料理上手だな」
「良かったです……」
安堵の息をつき、円花は箸を手に取る。自分でも変なこだわりだと思うのだが、和風のパスタの時は、どうしてもフォークじゃなくて箸を使う。
「梅が入ってるんだな」
「嫌いでしたか?」
「いや、好きだよ。夏はよく食べる」
作る前に、好き嫌いを聞いておけばよかった。
けれど、その心配は杞憂だったようだ。夏目はパスタを、1本残らず食べきってくれた。
「……小宮。少し、時間をもらってもいいか?」
皿を洗い終えたのと同時に、夏目が真面目な声で円花を呼ぶ。
急になんだろう?
円花は一抹の不安を胸に、テーブルを挟んだ夏目の前に腰を下ろす。
「なんですか、改まって」
「…………いつ話すべきか、ずっと悩んでいた。けど、いつか話さなきゃいけないなら、自分から話すべきだと思うんだ」
嫌な予感がする。立ち上がって、話を遮りたくなる。
でも、そんなこと出来るはずがない。
だから、黙って夏目の話を聞いていた。
「俺に、海外転勤の話が出てる」