スイート・プロポーズ
「ねぇ、起きて。そんなトコで寝たら、風邪ひくわよ」
優しく起こすのは癪なので、軽く蹴って起こす。
しかしながら、薫は起きない。イライラしてきた。
「勝手にすればいいわ」
風邪引いたって、自分の責任じゃない。
美琴はやり場のない怒りを抱えたまま、ベッドへ戻る。
「………………」
ベッドに入ったのに、寝付けない。意識が玄関へ向けられているからだ。耳を澄ませば、くしゃみが聞こえた気がする。
「あー、もう!!」
苛立ちを吐き出し、美琴は起き上がる。冬用の毛布を取り出し、玄関へと持って行く。
相も変わらず、薫は玄関で寝ている。
「はぁ……私ってお人好しだわ」
嫌いだと言っていた相手。
許さないと思っていた相手。
絶対に殴ると決めていた相手。
それなのに、今自分はその相手に毛布をかけている。
「バカみたい」
大体、どうしてこの男は自分の部屋に来たのだろう?
毛布をかけ終え、美琴は玄関に座り込み、しみじみと寝顔を観察する。
優しく起こすのは癪なので、軽く蹴って起こす。
しかしながら、薫は起きない。イライラしてきた。
「勝手にすればいいわ」
風邪引いたって、自分の責任じゃない。
美琴はやり場のない怒りを抱えたまま、ベッドへ戻る。
「………………」
ベッドに入ったのに、寝付けない。意識が玄関へ向けられているからだ。耳を澄ませば、くしゃみが聞こえた気がする。
「あー、もう!!」
苛立ちを吐き出し、美琴は起き上がる。冬用の毛布を取り出し、玄関へと持って行く。
相も変わらず、薫は玄関で寝ている。
「はぁ……私ってお人好しだわ」
嫌いだと言っていた相手。
許さないと思っていた相手。
絶対に殴ると決めていた相手。
それなのに、今自分はその相手に毛布をかけている。
「バカみたい」
大体、どうしてこの男は自分の部屋に来たのだろう?
毛布をかけ終え、美琴は玄関に座り込み、しみじみと寝顔を観察する。