スイート・プロポーズ
穏やかな...

休日のいい所は、早起きをする必要がないことだ。

加えて、ひとり暮らしならばお昼過ぎまで寝ていても注意されることはない。


(まだ10時・・・・・・)


サイドボードに置かれた時計の短針の位置を確かめ、円花はゴロンと寝返りを打つ。


「二度寝しよ」


布団を引っ張り上げ、惰眠を貪ろうとした時、携帯が鳴った。


「・・・・・・あぁ、もう。出ますよ、出ます」


ベッドから起き上がり、テーブルで充電器に繋がれた携帯に手を伸ばす。


「はい」

『おはよ〜、って機嫌悪いわね』


電話の相手は美琴だった。

元気な声に、自堕落な自分が責められているよう。


「二度寝するとこ」

『じゃあ、暇ってことよね?』

「・・・・・・何の用?」


< 26 / 294 >

この作品をシェア

pagetop