スイート・プロポーズ
円花の文句を聞きながら、美琴は目当ての店へと向かって歩きだす。
「休日は、休む日なの」
「はいはい。でも、予定なかったんでしょ?」
「ないわけじゃないわ」
二度寝の後、買い物や洗濯などをするつもりでいた。
あと、部屋の掃除も。
「機嫌の悪さも、美味しいもの食べれば直るわよ」
美琴が案内したのは店は、表通りから外れた、隠れ家的な外観をしていた。
「まずかったら許さないから」
「保証するわよ」
自信ありげな美琴の後に続き、円花も店内に足を踏み入れた。
古い民家を改築したという店内は、どこか落ち着ける雰囲気がある。
オススメは春野菜の天ぷら定食とのことで、円花はそれを注文することにした。
「いい雰囲気のお店ね」
「でしょう? デザートも絶品なのよね」