スイート・プロポーズ
「それは、おめでとう?」
円花の表情に芳しさを感じないので、あえて疑問符をつけた美琴。
「嬉しくなさそうね。相手は誰?」
「部長」
回りくどい言い方も、勿体振った言い方もしない。
「部長って言うと、夏目部長?」
コクリと円花は頷く。
「いいじゃない。夏目部長、かなりの優良物件だし」
「優良物件って・・・・・・」
相変わらずの物言いに、円花は苦笑するしかない。
(確かに優良物件よね、部長って)
運ばれてきた春野菜の天ぷら定食は、炊きたての白ご飯にお吸い物。
それと、菜の花のお浸し付きだ。
「菜の花・・・・・・春だわぁ」
パクリとお浸しを口に運ぶ。
「で、返事は?」