スイート・プロポーズ
美琴の問いに、円花はお吸い物を飲もうとした手を止める。
「断るべきだと思ってる」
「もったいない。うちの会社、別に社内恋愛禁止じゃないんだから」
円花は食事を再開しながら、美琴の話に耳を傾ける。
「じゃあ聞くけど、部長は何で私に告白したと思う?」
「・・・・・・顔、とか?」
「本気で言ってる?」
「美人じゃん、円花」
平然と答える美琴に、ついため息を漏らしてしまう。
「特別美人じゃない。それに、もし顔だとしたら、何で今告白するのよ」
入社4年目。
告白する機会は、他にもあったと思う。
「う〜ん・・・・・・仕事振りに惚れたとか?」
「部長が、部下で、しかも女の私の仕事振りに惚れると思う?」