スイート・プロポーズ
口にすることすべてが却下されて、美琴は不満げに口を尖らせる。
「ん〜・・・・・・夏目部長って謎な人だからねぇ」
「何考えてるのかわかんないし」
見た目もよくて、背も高くて、仕事もできる。
「そんな人が円花に告白、ねぇ」
入社した当初から、夏目は円花の上司。
あの頃はまだ部長ではなかったが、厳しいのは相変わらず。
(う〜ん・・・・・・好意を持たれてると思ったことはないなぁ)
嫌われてはいないと思う。
円花自身、夏目のことは尊敬してる。
入社した当初、夏目にビシビシしごかれたから、今の自分があるのだ。
「でもさぁ、フッた相手が上司って、気まずいわよね」
蕎麦をすすり、美琴が楽しげに笑う。