スイート・プロポーズ

口にすることすべてが却下されて、美琴は不満げに口を尖らせる。


「ん〜・・・・・・夏目部長って謎な人だからねぇ」

「何考えてるのかわかんないし」


見た目もよくて、背も高くて、仕事もできる。


「そんな人が円花に告白、ねぇ」


入社した当初から、夏目は円花の上司。

あの頃はまだ部長ではなかったが、厳しいのは相変わらず。


(う〜ん・・・・・・好意を持たれてると思ったことはないなぁ)


嫌われてはいないと思う。

円花自身、夏目のことは尊敬してる。

入社した当初、夏目にビシビシしごかれたから、今の自分があるのだ。


「でもさぁ、フッた相手が上司って、気まずいわよね」


蕎麦をすすり、美琴が楽しげに笑う。


< 32 / 294 >

この作品をシェア

pagetop