スイート・プロポーズ
交じり合う...
翌日、出社した円花は一番乗りではなかった。
部長のデスクに腰掛け、ファイルの中身をチェックする夏目の姿を見ただけで、ドッと疲れが込み上げて来る。
「おはよう」
「・・・・・・おはようございます」
自分のデスクにバッグを置き、早足でコピー機の元へ。
コピー用紙を補充し、シュレッダーのゴミを捨て、ホワイトボードの日付を書き直す。
観葉植物の水やりは夏目が済ませているので、円花はそのまま給湯室へ。
「・・・・・・」
夏目の分のマグカップを用意するか迷ったが、“いつも通り”にふたり分のコーヒーを入れる。
「どうぞ」
「ありがとう」
昨夜のことを感じさせない、普段通りの夏目に、円花は意識してる自分が馬鹿みたいに思えてきた。