スイート・プロポーズ
お礼もなくデスクに置くのは、失礼だ。
「手渡しか」
仕事以外で、できれば話したくないのだが、仕方ない。
―――ピーンポーン。
チャイムが鳴り、円花は早足で玄関に向かう。
「はぁい。どちら様ですか・・・・・・って、美琴か」
玄関を開けたら、オシャレした美琴が立っていた。
「どしたの? その格好」
「結婚式だったのよ、今日」
「あぁ。前言ってた、高校時代の?」
美琴は頷き、遠慮なく部屋に上がる。
「紅茶でいい? 貰い物だけど」
「お構いなく〜」
美琴はクッションを枕にして、床に寝転がる。
「シワになるわよ?」
「クリーニング出すから心配ないわよ」
円花はテーブルに紅茶の注がれたカップを置き、友人をしげしげと見る。