スイート・プロポーズ
(これは、愚痴を覚悟しないとかなぁ)
了解と簡素なメールを返してから、円花はホッチキスに手を伸ばした。
―――・・・・・・。
昼食によく利用するのは、ランチメニューが豊富の穴場的なお店。
円花は注文を手早く済ませると、文庫本を取り出し読書に耽る。
店内に流れるのは、ゆったりとしたメロディーの曲。
「お待たせっ」
読書開始から数分で、美琴が到着した。
円花は本を閉じて、慌てて来た友人に笑いかける。
「そんなに待ってないわ」
美琴は席に着くと、出されたお冷やを一気に飲み干す。
店員に慣れた様子で注文をすると、疲れたようにイスに寄り掛かる。
「忙しかった?」
「まぁね。この時期は仕方ないけど」