スイート・プロポーズ
円花は身支度を整え、いつもの店へと向かった。
―――・・・・・・。
「お待たせ」
手を振る美琴が、待ってない、と笑いかける。
「明日から出張だっけ?」
注文を済ませ、円花はお冷やで喉を潤す。
「そう、沖縄にね。お土産買ってこようか?」
「いらない。・・・・・・沖縄、ね」
「どうかした?」
なんだか美琴の様子が気になり、聞いてみた。
「・・・・・・なんでもない」
美琴は首を振り、頬杖をつく。
「あんたはどう? 出張、楽しみ?」
「仕事だから」
運ばれてきたランチは、いつも通り美味しそう。
「仕事とは言え、夏目部長とふたりきりよ?」
「・・・・・・聞いてみようかな、とは思ってる」