スイート・プロポーズ

「・・・・・・誰かに好きって言われたの?」


円花の問いに、美琴は何も言わず視線を泳がせる。


「言われたんだ?」

「私の事はいいから」


美琴は最後の一口を水で流し込むと、話を乱暴に終わらせた。


「気をつけて行ってきなさいよ、出張」

「うん、ありがと」


円花は笑って、食後のコーヒーを待つことにした。





―――・・・・・・。

早朝の飛行機で沖縄県へ入った円花と夏目は、そのまま宿泊先のホテルへと向かった。

リリは明日到着の予定だ。


「荷物を置いたら、撮影場所に行くから、エレベーター前でな」

「はい」


円花は部屋に入り、オーシャンビューであることに喜ぶ。


(仕事だけど、ラッキーかも)


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