ヴァンパイアと同居中!! ~赤に恋して~
◇崩れ落ちた幸せ◇
「オイ………葵」


「………」


「オイってばっ!!」


「えっ!?」


いきなり大声がすぐ傍で聞こえたと思ったら、目の前には月模。


月模は分かりやすい位呆れと怒りが混ざった様な顔で、私を若干睨みつけていた。


「たくっ……ようやく気がついたか」


「え?え?え?何が?」


「“何が”じゃねぇよ。さっきからオレお前の事呼んでたのに、上の空で全然反応しねぇし………」


前橋家のリビングに、月模の呆れ声が流れる。


どうやら私は何回も月模に呼びかけられていたのに、オール無視をしてしまっていたらしい。
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