小さな光 ~月と太陽~
アホ……アホってあたしの事?


「あたしの事言っているんですか?」


「他に誰がいるんだよ」


あたしの中で何かがプツンと音をたてて切れた。


「どーせあたしはアホですよーだ。
あんたみたいなやつに一緒に住んでもらわなくても大丈夫ですからさっさと出ていってください」


ふースッキリ。
思いっきり言ってやった。
別にあたしは1人で大丈夫だもん。



「あんたってよく人から言われない?
“人の話聞いているの”って」


16年間そんな言葉、言われないんですけど……


「出発前にあんたのお母さん言っていただろ“藤君が保護者代わりだから”って…
あんた、保護者いなくなったらこれからどうするの?」


お母さんそんな事言っていたっけ?
ヤバい…思い出せない。



「別に、今までだって1人で何とかなったんだから今回だって…」


「2年間も?」


「2年間?
それ、どうゆう事」


「本当に話きいてねぇーやつだな……
お前の両親は2年は帰ってこねぇって事。
わかったかっ」


2年間……


今まで2人に会わ無いことは長くても3ヶ月位だった。


それがいきなり2年。


嘘だっ、信じられない。
それに2人とも2年間も仕事を休めるわけが無い。






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