小さな光 ~月と太陽~
相変わらず藤は夏川さんに言う事がキツい。

けど夏川さんと話している藤はとっても楽しそう。



「アズちゃんもしかして泣いた?目が赤いよ」


「うわぁっ!!!」


藤に買ってもらったアイス食べながら2人の話を聞いていたら夏川さんに顔を覗かれた。


「アズちゃん転んだの?」


「ち、違います」


「純っ!アズに近づくな。何度言わせれば分かるんだ」



あーあ、とうとう藤を怒らせた。眉間にシワが寄っている。



「いいじゃん、藤は毎日こんなに可愛いアズちゃんと一緒に生活しているんだろ?少し位俺にだって楽しませてくれよ」


「ダメ、アズは“俺の彼女”なの。いっくら純でもアズに近づく事は許さない」


「へーへー、分かりましたよ。


俺はジュースでも買ってきますよ」




『俺の彼女』と誰かに初めて紹介された。


「隙がありすぎ」


「そうかな…」


「そうだよ…」


自分では全く隙があるだなんて思っていなかった。

けど藤にしてみればあたしはとっても隙だら気なんだね。


今度から気を付けよっ。












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