小さな光 ~月と太陽~
足がつかない!


深いプールへ連れてこられたけど…入ってすぐに足が付かなくなってしまい、藤に抱き抱えてもらった。



「アズは小さいな」


「藤が大きいの!」



大体真ん中位にいる。

藤は首から上が出ている。



「アズ、俺から離れてみる?」


「ヤダっ!足がつかないもん」


「アハハ、アズは小さいから足がつかないもんな」


「藤の意地悪」



あたしだって泳げるぞっという所を見せたいけど…

足がつかないのでやっぱり怖い。


藤にくっついたまま。



「藤…キスして」


「えっ…」


あたしが突然「キスして」だなんて頼むから腕の力が緩んだ。


けどあたしは本気だ。


「今、誰も居ないからキスして」



この深いプールにはあたし達しか居ない。


少し離れた場所にあるから誰も見ていないはず。



「藤…」


「ったくしょうがねぇな」


そう言って藤がキスをしてくれた。





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