小さな光 ~月と太陽~
こんな奴の言葉なんか信じない。
こいつの言っている事はウソに決まっているはず。



「あんたバカじゃないの?
お母さんとお父さんの知り合いか何かあたしは知らないけど、二人が2年も仕事を休めるわけ訳無いじゃん」


「普通ならな」


「どうせ数日で帰ってくるんでしょ。
2年間なんて……信じない」


「まぁ信じるか信じないかはあんた次第たな。
それよりお前さ……さっき俺の事“バカ”って言ったよな?」


「言ってません」



言ったような…言ってないような…
曖昧だ。


「ウソつけ。
言ったんだよ、お前は。
ちょっと保護者代わりとして“教育”してやるよ」


ニヤッと笑っとあたしに1歩1歩近づいてくる。


――― ヤバい。


瞬時に悪い予感を察知した私は如月さんから逃げようとした。



「待てよ」


「きゃっ」


右手で左手を掴まれ、左手で腰を抱き寄せられた。


ものすごーーーく、密着しているんですけどッッ。


そして、どんどん近づいてくる如月さんの顔。



「な、何しているの?」


「顔見ている」


「放してよー」


必死で抵抗するけど……
あたし達の距離は少しずつ近づいていく。





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